2025年度(YA 2025)個人所得税リベート

一回限りの60%個人所得税(PIT)リベートが適用(上限SGD 200)

影響

課税所得がSGD 20,000を超えるすべての税務居住者に適用

見解

  • このリベートは、低所得層の納税者に対する救済策として、政府の継続的な取り組みの一環
  • リベートの導入は歓迎されるものの、当初は納税者へのさらなる支援を考慮し、より高額のリベートが期待されていた

高齢従業員向の中央積立基金(CPF)拠出率の更なる引上げ

2026年1月1日より、55歳〜65歳の従業員に対するCPF拠出率が合計1.5%増加(雇用主負担分:0.5%増、従業員負担分:1.0%増)

2026年の拠出率引き上げ分の半分を補填する「CPFトランジションオフセット」が1年間自動適用される

影響

  • 企業にとって、55歳以上の従業員の雇用コストが増加するため、高齢者雇用の抑制につながる可能性
  • 従業員にとっては、CPF拠出の増加分が退職口座(RA)に充当され、退職後の生活費や医療費の負担軽減につながる

見解

  • 政府は、2022年1月1日から55歳〜70歳のCPF拠出率を段階的に引き上げ、実質的な退職年齢の引き上げを進めている
  • 65歳〜70歳の従業員に対するCPF拠出率の追加引き上げは、2030年まで予定されていない
  • 一方で55歳〜65歳の従業員については、政府が定める目標拠出率に到達するまで、2030年までにさらなる引き上げが実施される予定
  • 清掃業、飲食業、小売業などの業界では、55歳以上の従業員の雇用コスト増加分が消費者へ転嫁される可能性
  • 賃金およびCPFコストの上昇により、成熟した従業員が多い企業にとっては、「1年間のCPFトランジションオフセット」だけではコスト負担の軽減効果が限定的となる可能性あり

中央積立基金(CPF)キャッシュトップアップ控除に関する「Matched MediSave Scheme(MMSS)」の変更

2026年1月1日以降、MediSave口座(MA)へのキャッシュトップアップが「Matched MediSave Scheme(MMSS)」のマッチング補助金の対象となる場合、寄付者はCPFキャッシュトップアップ控除を受けることができなくなる

影響

この変更は、「Matched Retirement Savings Scheme(MRSS)」と同様の税務取扱いに整合するもの。

  • MRSS対象のCPFメンバーが、退職口座(RA)または特別口座(SA)にキャッシュトップアップを行い、MRSSのマッチング補助金を受ける場合、寄付者はCPFキャッシュトップアップ控除を受けることができない

見解

  • MMSSによるマッチング補助金は、税控除よりも大きなメリットがあり、対象CPFメンバーの口座残高と利息を直接増加させる効果がある
  • このルールは、マッチング補助金と追加の税控除の「二重取り(ダブルディッピング)」を防ぐために導入